制作ストーリー 2026.06.02 読了 10分

ホームページが「ある」だけで放置している会社が、静かに失っている5つのもの

ホームページが「ある」だけで放置している会社が、静かに失っている5つのもの

「とりあえずある」が、いちばん危ない

ホームページがない会社は、まだいい。

なぜなら「ない」ことに気づいているから、いつか作ろう、なんとかしようと考えている。

問題は、「ある」けれど放置されているホームページの方です。

5年前、10年前に作って、それきり触っていない。誰がいつ作ったかも記憶が薄い。けれど、ドメインは更新され、サーバー代も毎年引き落とされている。会社案内や名刺にURLは載っていて、新しいお客様は念のため検索してくる。

「うちにもホームページはある」――そう言える状態は、安心の材料に見えます。

でも、いま静かに、確実に、何かを失い続けている可能性があります。

私たちは「集客できるWebを、事業者目線で作る」をテーマに、地方の中小企業のホームページを数多く分析してきました。その経験から見えてきた、放置されたホームページが失っているものを5つ、お伝えします。

少しドキッとする話もあるかもしれません。でもそれは、いまならまだ取り返せるという話でもあります。


失っているもの1:新しいお客様が「決める瞬間」

人が初めての会社や店を選ぶとき、いまは必ずホームページを見ます。

これは20代の若い世代だけの話ではありません。40代も、50代も、60代の経営者も、取引先や業者を選ぶときに、まずスマホで検索します。電話をかける前、訪問する前、紹介された後でも、念のためホームページを確認する。これは年齢を問わず、当たり前の行動になりました。

そのとき、放置されたホームページが何を伝えているか。

「最終更新:2018年」のお知らせ欄。スマホで見ると文字が小さすぎて読めないレイアウト。タップしても反応しないボタン。表示に5秒以上かかるトップページ。10年前に撮った、誰だかわからない人の写真。

これを見たとき、新しいお客様は何を感じるでしょうか。

「この会社、いまも営業しているのかな」 「ちゃんと相談に乗ってもらえるのかな」 「他にもっと信頼できるところがありそう」

そして、ブラウザの戻るボタンを押して、競合他社のページに移ります。

ここが怖いところです。この「決める瞬間」は、あなたには見えない。来店しなかった人、電話してこなかった人、問い合わせをしなかった人。彼らは「あなたの会社を選ばなかった」ことを、わざわざ伝えに来ません。

つまり、機会損失は記録に残らない。

それでも、ホームページがアクセスを受けている以上、毎日のように「決める瞬間」は発生しています。そして放置された状態のままでは、その多くで「選ばれない」という結果が出ています。

これは大袈裟な話ではありません。Googleアナリティクスを設置して数字を見れば、すぐにわかります。多くの放置ホームページは、訪問者の8割以上が10秒以内に離脱しています。


失っているもの2:検索エンジンからの「無料の集客」

「うちは口コミと紹介で十分だから」「広告も出していないし、ホームページからの問い合わせは期待してない」

そう言う経営者の方も多いです。実際、いま現在の売上は安定しているかもしれません。

でも、考えてみてください。

10年前、20年前は、紹介と口コミだけで成り立っていた業種が、いまどんどんGoogle検索やGoogleマップ検索に置き換わっています。「○○市 整体」「富士市 リフォーム」「税理士 相談」――地域名と業種で検索するのは、もはや若い人だけの行動ではありません。

放置されたホームページは、この検索結果に出てきません。出てきても、ずっと後ろの方。

これは、SEO(検索エンジン最適化)という技術的な話だけではありません。検索エンジンは「いま動いているサイト」「定期的に更新されているサイト」「正しく構造化されたサイト」を上位に表示する仕組みになっています。10年前の技術で作られて更新もされていないサイトは、検索エンジンから「もう活動していない会社かもしれない」と判断されて、結果としてお客様の目に触れにくくなっていきます。

そして、ここが本当に大事なところですが――検索からの集客は、お金がかかりません。

広告のように毎月の予算を投じる必要はなく、上位に表示されている限り、毎日ずっと、見込み客があなたのページを見に来てくれる。これが本来、ホームページが持っている力です。

放置するということは、この「無料の集客装置」を、何年もスイッチを切ったまま倉庫にしまっている、ということに近いのです。


古い看板と新しい看板の対比

失っているもの3:いまの「会社の顔」を伝える機会

会社は生き物です。5年も10年も経てば、変わります。

サービスメニューが変わる。料金が変わる。スタッフが変わる。代表者の考え方が深まる。地域での役割が変わる。新しい強みが生まれる。お客様との関係性が育つ。

これらは、いまのあなたの会社にしかない財産です。なのに、ホームページは10年前の状態のまま止まっている。

10年前の自分の名刺を、いまも配り続ける人はいないでしょう。10年前の店構えを、誰もそのままにしません。看板の色が褪せれば塗り直す。古くなった内装はリフォームする。

ホームページだけが、なぜか「一度作れば終わり」だと思われてしまっています。

放置されたホームページが伝えているのは、「10年前のあなたの会社」です。

10年前のメニュー、10年前の料金、10年前のスタッフ紹介、10年前の写真、10年前の文章のトーン。

それらは、いまのあなたの会社の魅力を、ほとんど何も伝えていません。むしろ、いまのあなたが大切にしていることや、新しく始めたサービス、培ってきた信頼が、まったく訪問者に届かない状態になっています。

これは、機会損失の中でも特に切ないものです。なぜなら、伝えるべき価値はすでにあなたの中にある。ただ、その価値を表に出す場所が止まっているだけだから。


失っているもの4:「いざというとき」の信頼の貯金

人がホームページを見るのは、買うときや問い合わせるときだけではありません。

何か困ったとき、判断に迷ったとき、人は会社の名前を検索します。

たとえば、地元で評判のいい会社の名前を聞いたとき。誰かから紹介されたとき。請求書が届いて、改めてどんな会社か確認したいとき。トラブルが起きて、解決方法を探しているとき。

そのとき、検索した先のホームページが古びていて、情報が更新されておらず、お問い合わせフォームが壊れていたら――その人の中で、あなたの会社の印象は静かに下がります。

逆に、最新の情報がきちんと整理されていて、わかりやすく、信頼できる雰囲気で運営されているホームページに辿り着いたとき、人は安心します。「ちゃんとした会社だ」「相談していい場所だ」と感じます。

この「いざというとき」の信頼の積み重ねが、長い目で見て会社の地力になります。

それは、目の前の問い合わせ件数や売上には直接表れないかもしれません。でも、紹介の質が上がる、競合と比較されたときに選ばれやすくなる、価格交渉で値下げを迫られにくくなる――そういう、地味だけれど効いてくる効果として、確実に経営の根に影響します。

放置されたホームページは、この信頼の貯金を、毎日少しずつ取り崩しています。


失っているもの5:「あなた自身が動ける」という選択肢

5つ目は、少し性質が違う話です。

ホームページを5年、10年放置している会社の多くは、こんな状態になっています。

「誰が作ったのか、よくわからない」 「サーバーやドメインの管理を、当時の業者に任せきり」 「修正したくても、業者と連絡が取れない、または対応してくれない」 「ログイン情報がどこにあるかわからない」 「変更のたびに高額な見積もりが来るので、結局放置している」

これは、業者を批判している話ではありません。業者にも事情がある。担当者が辞めた、会社が縮小した、もう個別対応はしていない。

問題は、お客様の側に「自分で動ける選択肢」がほとんど残されていない、ということです。

ホームページは、本来あなたの会社の資産です。土地や店舗と同じく、「自分で管理できる」「いつでも触れる」状態であるべきもの。

なのに、いつの間にか、業者に人質を取られたような状態になっている。サーバーもドメインも先方名義、修正は言い値、解約しようとすると複雑な手続きが必要、データの移行も簡単ではない。

この状態が続いていると、新しいことを始めようと思っても、「まずホームページから手をつけなきゃいけないけど、それが一番面倒で重い」という壁になります。新サービスの告知、料金の改定、新しい採用情報、季節のお知らせ――どれも、ホームページが動かないせいで、後回しになっていく。

そして、その「後回し」の積み重ねが、また機会損失を生む。負のスパイラルです。

ホームページを自分の意思で動かせる状態に戻すこと。これは、想像以上に経営に効きます。


朝のスタート・スマホでホームページを開く

いま、何から始めればいいか

ここまで読んで、「うちは大丈夫だろうか」と少し気になった方も、「思い当たることが多すぎる」と感じた方もいらっしゃると思います。

大切なのは、状況を正確に知ることです。

まず、自分の会社のホームページを、スマホで開いてみてください。最終更新日はいつになっていますか。スマホで見やすいですか。表示は速いですか。情報はいまの実態と合っていますか。お問い合わせフォームは動きますか。

それから、お客様があなたの会社を検索しそうなキーワード(例:「○○市 ○○業」「○○ 相談」など)でGoogle検索してみてください。何番目に出てきますか。出てこない場合、どの会社が上位に来ているか確認してみてください。

これだけでも、いま何が起きているかが見えてきます。

そして、もし「これは何か手を打ったほうがいいかもしれない」と感じたら、リニューアルや作り直しを検討してみてください。ホームページは、いま作るならびっくりするくらい安く、早く、そして集客に強いものが作れる時代になっています。

私たちが大切にしているのは、3つのことです。

ひとつ、クライアント様の言い値ではなく、明確な料金で作ること。 ひとつ、ドメインもサーバーも、クライアント様の名義で運用すること。 ひとつ、クライアント様ご自身で動かしていけるホームページにすること。

ホームページは、もう一度、あなたが主導権を持って動かせる資産にできます。

それは、特別な技術や大きな予算が必要なことではありません。ちょっとした考え方の転換と、正しいパートナー選びがあれば、誰でも実現できることです。


まずは、自分のホームページを見てみることから

10年前、ホームページを作ったとき、あなたはきっと未来に向かって投資をしたはずです。

その投資が、いま何を生んでいるか――静かに失っているもののリストを見直すよりも、これから取り戻せるものに目を向けてください。

放置されたホームページは、いまからでも蘇らせることができます。 古びた看板は、塗り直すことができます。

そしてそれは、思っているよりずっと簡単で、ずっと早くできることです。

まずは、いまのご自身のホームページを、スマホで開いてみる。それが、最初の一歩です。


Design Studio KZでは、いまのホームページの状態を確認するご相談から承っています。

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